プラハのストラホフ修道院
聖母マリア教会の優美な塔、長い歴史のある壮麗な図書館、貴重な美術館、それにハリウッド超大作の撮影ロケ地。これが現存するプレモントレ会修道院のうち世界最古の修道院の一つ、プラハのストラホフ修道院です。見事な建築美がはかり知れない価値のある歴史的な宝物と渾然一体になっている建物を訪れて、今日においても瞑想、反省そして心の安らぎの場である修道院の物語に耳を傾けてみてください。

修道院は1143年の創設以降途切れることなく存続してきました。火災、戦争、革命、独裁体制に屈せず耐えてきましたが、プレモントレ会の修道士が修道院に居住できなくなった場合には、修道院に戻ることができるまで他の場所に身を寄せ合っていました。今日ストラホフ修道院では70人ほどの修道士が静かな生活を送っています。

修道院図書館の息を呑む壮麗さ

ストラホフ修道院内にある聖母マリア教会の塔がプラハの見事なパノラマを完成させていますが、真の宝物は修道院の中に隠されています。長い歴史のある当地の修道院図書館は世界で最も美しい図書館の一つに数えられており、二十万冊以上の蔵書のうち写本が3000冊あります。ストラホフの図書館は2つの美しい広間からなり渡り廊下でつながっています。見事な漆喰装飾がある「神学の間」では主に神学文学と数千部に上るいろいろな版の聖書をご覧いただけます。

ヨーロッパの偉人も来訪

中央広間の「哲学の間」では壮大なフレスコ画『人類の精神史』が空間を圧倒し、クルミ材の書棚が壁一面に床から天井に届かんばかりにそびえています。壮麗な「哲学の間」の評判は周辺に広まり、当代随一の人物が当地を訪れました。修道院の一番古い記名帳にはホレーショ・ネルソン提督やナポレオン・ボナパルトの皇后でオーストリアの王女マリア・ルイーザなどの名前を見つけることができます。

ジェームズ・ボンドと切り裂きジャックの足跡をたどる

修道院内には美術館もあり中央ヨーロッパで最も貴重な修道院コレクションとされています。美術館ではゴシック様式からロマン主義まで1500点以上の絵画や彫刻、その他の美術品を鑑賞することができます。ストラホフ修道院は過去の栄光にすがって生きているわけではありません。華麗な広間と独特の雰囲気のおかげで頻繁にハリウッド映画のロケ地として利用されています。ストラホフ修道院図書館は、ジョニー・デップ主演のホラー映画『フロム・ヘル』やダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じた映画『カジノ・ロワイヤル』などの映画の中で目にすることができます。