黒い聖母の家への旅
チェコキュビズム、特に20世紀前半の中欧ヨーロッパの芸術のデザインに用いられた芸術スタイルは、プラハ建築においてユニークに表現されています。その本物の宝石とも言えるのが、プラハのツェレトナーとオヴォツニー・トゥルフ の角にある黒い聖母の家 で、1911年から1192年にかけて建築家J.ゴチャールが作成しました。建物はファサードが特別であるだけでなくキュビズムの平面図や特に内装へのキュビズムの大々的な適応が素晴らしいものとなっています。建物のファーストフロア(日本では1階)にあるグランドオリエントカフェは、建築家ゴチャールがデザインし、多数の精錬された要素をバーやシャンデリアまたランタンに組み込み、これも是非ご覧になることをお勧めします。キュビズムは同時にラーズニェ・ボフダネチにあるゴチャール・パヴィリオンでも見られます。ゴチャールのその他の作品としては、コリーン近郊のバウエル邸、あるいはフラデッツ・クラーロヴェーのギムナジウムなどがあります。
キュビズムの街灯
キュビズム建築でチェコを飾った建築家はこの他にもあります。プラハの国民劇場の近くには、ディアマントと呼ばれるキュビズムの建物、またラシーン河岸通りではヨゼフ・ホホルの三連集合住宅を目にすることができます。その真ん中の建物の上方には、この建物の裏にそびえ立つヴィシェフラットに関する伝説を描いた彫刻が見られます。
プラハでは更に、世界で唯一とされている、キュビズム様式の街灯もご覧いただけます。この街灯は、建築家エミル・ザイーチェックが設計したもので、ユングマン広場に立っています。柱の部分はもちろん、ランプそのものもキュービズムの様相を成しています。
キュビズムは完成しなかった
第一次大戦後、キュビズムに新しい芸術スタイルが誕生しました:それがロンドリズムです。プラハのナ・ポジーチー通りにあるかつてのチェコスロヴァキア銀行の建物が その素晴らしい例です。そのオリジナルの質素な幾何学のエッジやキューブやピラミッドは、国家的なスロバキア伝統の精神にいわゆる小さな半円と円を付け加えました。 ロンドリズムは産業建築にも多数適用されました。
キュビズムのギャラリーと博物館
キュビズムをもっと知りたい方は、20世紀と20世紀の芸術を扱ったプラハのヴェレトゥルジュニー宮殿にあるナショナルギャラリーの常時展示にいらしてください。20世紀初期の雰囲気を味わいたい方には、正真正銘の場所としてヨゼフ・ゴチャールの美術館やキュビズムデザインギャラリーをご覧いただけるリボドジツェのキュビスト・バウアー大邸宅をお勧めします。