チェコ、鉄道愛好家の楽園
山々の景色の中を走るロマンチックな路線、古い蒸気機関車、豪華なグランピング、夜行列車にパノラマの眺望。チェコは、鉄道愛好家にとっての楽園です。EUでも特に鉄道網が発達した国の1つで、こんな興味深い事実もあるのです:急行列車を使うと、チェコを西から東へ4時間44分で横切れます。他にも沢山ある利点も手伝って、2024年にイギリスのThe Telegraph誌で、列車旅行によい欧州の町ランキングで3位にランクインしました。

山岳鉄道



チェコは自然を愛する方や活動的な観光が好きな方にも、多くの体験を提供しています。チェコで最も高い山岳地帯であるクルコノシェ山脈(Krkonoše)は、列車で行きやすいところです。他に鉄道で行ける山岳地帯には、イエセニーキ(Jeseníky) があります。いわゆるシレジア・ゼメリングでは、山の稜線の美しい景色を堪能できます。鉄道は巨大な高架を渡り、いくつかのを越えてゆきます。下車するのに理想的な駅には、最も標高の高い高速列車駅であるラムゾヴァーRamzováオストルジュナー(Ostružná) 、場合によってはマラー・モラーフカ (Malá Morávka) があります。ロウチュナー・ナド・デスノウ (Loučná nad Desnou) に鉄道で行けば、貯水池のあるドロウへー・ストラーニェ(Dlouhé stráně) や、手すき紙で有名なヴェルケー・ロシニ(Velké Losiny) を訪れることができます。
 
シュマヴァ(Šumava) 国立公園も人気の場所です。プラハあるいはプルゼニュから列車でクラトフ (Klatov) まで行き、そしてそこからシュマヴァへの玄関口といえるジェレズナー・ルダ(Železná Ruda) まで行くことができます。他の行き方としては、チェスケー・ブデョヴィツェ(České Budějovice) を通って、ヴィムペルク(Vimperk)ヴォラリ(Volary) に行く方法があります。クルシュネー・ホリを訪れるなら、カルロヴィ・ヴァリメルクリーン(Merklín) あるいはカルロヴィ・ヴァリネイデク(Nejdek) -ザクセンの景色が広がるヨハンゲオルゲンシュタット(Johanngeorgenstadt) のルートを行く列車が利用できます。
 

列車で豪華なグランピング:線路上でのグランピングでは、クルシュネー・ホリの尾根に位置する駅ならではのロマンチックさが味わえます。あなたを静けさと深い自然が包みこむのです!パノラマウインドウがある断熱が施された車両は、1つ1つデザインが違います。年を通じ、心地よい宿泊ができます。この一風変わった体験ができるのは、クルシュネー・ホリ観光中心地ボジー・ダル (Boží Dar)から歩いて数分のところにある駅、コヴァーシュスカー (Kovářská)です。

 
チェコの北部、ガラス工芸地方へも鉄道で行けます。カメニツキー・シェノフ(Kamenický Šenov) ではガラス工芸博物館を訪れ、パンスカー・スカーラ(Panská skála) の貴重な自然の造形を見に行ってください。

パノラマ列車



田園風景の眺めがお好きで、加えて何か他にも経験したいと思われますか?それであれば、オーストリアのグラーツ(Graz) からポーランドのプシェミシュル(Přemyšl) まで走る、展望ワゴンがある特別なスイス列車が良いでしょう。チェコではその列車が、南モラビアからシレジアまで、正確にはブジェツラフ(Břeclav)からボフミーン(Bohumín) までの区間を走行しています。大きなアーチ形パノラマウインドウによって、通常の列車よりも90%広い眺めを楽しむことができるようになっています。

ノスタルジック列車



美しいイイゼルスケー・ホリ(Jizerské hory) と壮大なクルコノシュ(Krkonoše) の間を繋ぐ、国内で最も険しい場所を走る唯一の歯車鉄道が開通したのは、1902年のことでした。夏の時期にはタンヴァルド(Tanvald) で、昔の蒸気機関車とその車両が走るのを目にすることができ、「しかめっ面」とあだ名される、珍しい歯車蒸気機関車によるノスタルジックな列車の旅を楽しめます。チェコではこんな風に、ペットだけでなく列車にも名前を付けてしまうんですよ。
 
オソブラジュスコ(Osoblažsko) の回廊地帯では、狭軌鉄道に乗る特別な体験ができます。オソブラジュスコの狭軌鉄道は、ボヘミアの東側にある特殊な技術的路線に繋がっており、技術記念物指定されています。5月になると、蒸気機関車がこの路線上を走ります。人気の催しものには、スレスケー・ルドルティツェ(Slezské Rudoltice) の城館に向かうお化け列車、あるいは美食列車などがあります。

欧州とプラハを結ぶ路線



素晴らしい食べ物や美食のために、どこへ行きますか?その目的地の1つになるのがプラハでしょう。ここにはチェコのみならず他の国々の料理を提供している、数えきれない程多くのレストランがあります。プラハへは、夜行列車のヨーロピアン・スリーパー(European Sleeper)バルティック・エクスプレス(Baltic Express) などの国際列車で入ることができます。他にも美食を楽しめ、列車の便が良い町には、オロモウツブルノカルロヴィ・ヴァリミクロフターボルプルゼニュフラデツ・クラーロヴェーオストラヴァなどがあります。美味しいものを求める列車の旅は、クリスマスや復活祭の市場も含めた地域の特別料理を味わえる喜びと、旅の楽しさを組み合わせる理想的な方法です。

2025年79に、ロンドンへ向かって走る伝説の列車、ヴェニス・シンプロン・オリエント・エクスプレスがプラハを通過します。この、エレガンスと歴史的魅力を備える高級列車は、ロマンチックな西ヨーロッパ旅行という特別な体験をさせてくれます。

 キングダム・カムのゲームで歴史の世界へ

Kutná Hora


城館のワイン貯蔵庫で直接美味しいワインを味わうことができエルベ川とヴルタヴァ川が合流する息をのむ様な景色を満喫できる、北ボヘミアムニェルニーク(Mělník) へは、プラハから簡単に行くことができます。
 

市内交通が大変良く機能しているプラハですが、列車での移動も早くて便利です。人気があるのは、古いプラハプラハ城の素晴らしい眺めを楽しみつつ、ヴルタヴァ川を渡る路線です。中央駅からスミーホフ(Smíchov) 駅に向かい、プラハ中心街の美しい眺めが堪能できます。プラハを列車で移動するのは、早く、効率的かつエコロジーですから、旅行者だけでなく町を違う視点で楽しみたい市民にも、もってこいの交通手段です。


もう1つの旅行先は、UNESCO文化遺産真珠クトナー・ホラでしょう。ここは人気のコンピューター・ゲーム、キングダム・カム:デリヴァランスIIの舞台になりました。また、プラハから遠くに行かなくても、ネラホゼヴェス(Nelahozeves) へのルートで素晴らしい日帰り旅行を楽しむことができます。ここでは歴史や美しい自然があるだけでなく、アントニーン・ドヴォジャークの生家のインタラクティヴな展示も、あなたを待っています。

南モラヴィアにワインを楽しみに

Mikulov


ワインの産地として最も有名な南モラビアへも、列車で簡単に行くことができます。ミクロフ(Mikulov) ではこの近辺で生産されたワインを、歴史ある城館の眺めと共に味わえます。チェコ料理だけでなく世界のトップクラスの美食も楽しめるブルノの町から、ズノイモ(Znojmo)ブゼネツ(Bzenec)ヴァルティツェ(Valtice)レドニツェ(Lednice: UESCO文化遺産指定)、ヴェルケー・ビーロヴィツェ(Velké Bílovice) あるいはストラージュニツェ(Strážnice) へ行くことができます。これらの町は、素晴らしいワインだけでなく豊かな民俗文化が残る地域でもあります。