町のシンボルとなっているブルノのドラゴンと車輪には、いくつかの伝説があります。これらを実際に見るには、青果市場の近くにあるモラヴィア地方の主都の旧市庁舎へ行く必要があります。見て驚くのが、ブルノ市民がワニを、童話に出てくるドラゴンと看做していたということです。また、建物の中を歩くと、後期ゴシック様式の人物画が目を引きます。有名な建築家アントン・ピルグラムは、ゴシック芸術に遊びを取り入れたかのように、彼は装飾された中央の塔(専門用語で「小尖塔」)が、下を歩く人たちに倒れるかのような錯覚作用を利用して建てたのです。建物の中では、ギャラリー、歴史的な部屋をご覧頂けます。また、ルネッサンス様式の円天井を持つ63メートルの塔を登ることができます。
伝説をもっと聞きたい人に、こんな話があります。市庁舎の建物の裏の壁の一部に、石の頭があるのに気付いたでしょうか。1424年6月のある夜のこと、秘かにフス派の軍をブルノに招きいれようとした役人がいました。ところが実行前にこの陰謀が明るみに出、当の役人は見せしめに生きたまま壁に埋められたということです。