ブルノの中心、スヴォボダ広場で目を引く建物のひとつが、1930年に完成したモラヴィア銀行の建物です。この建物の特徴は、通りに向かって前面に何枚も重ねられたガラスの窓で、そのパッサージュには店やレストランが軒を並べています。建物の作者はエルンスト・ウィズネルとボフスラフ・フクス。フクスの名前は、まさか知らないなんてことはないですね。
ブルノを歩けば彼の建物に当たる、全中欧でも有名な建築家です。このモラヴィア銀行の場合は、正面部分を主にフクスが手がけました。鉄筋コンクリートの支柱が、インテリアの一部になっています。入口ホールと階段は、白い大理石で覆われています。銀行は今日、本来の目的に立ち戻り、上階2階は、建物ができた当時からのアパートスペースとなっています。この多機能の建物は、建設当時、住宅難の解決という意味あいからも、街の中心の文化的催しを充実させる意味あいからも、街の支援を強く受けていました。