プルゼニュ・ビール街道

ビールの消費に関してチェコ人が世界一であることは、秘密でもなんでもありません。最高のビールの醸造は国の文化の一部で、何世代にもわたって受け継がれてきているものです。チェコのビールの名声は全世界で知られていますが、その真の雰囲気はこのプルゼニュ地方ならではです。数百年に渡って醸造されている数十種類のビールのうちのいくつかを試してみましょう。

世界にラガーをもたらした醸造所

ピルスナー・ウルケル（プルゼニュスキー・ プラズドロイ）は、チェコのビール醸造所のなかでも文字通り国宝のような存在です。歴史ある門をくぐり醸造所の敷地に入れば見学コースが用意されており、世界的に知られたピルスナー・ウルケルやガンブリヌスがどのように製造されるかを見ることができます。見学コースの途中では芸術的とも言えるビールの注ぎ方が見られ、またオーク材の樽から直接注いだ、濾過していない一級品のビールを試すことができます。プルゼニュに滞在の際は、ビール以外にも見どころがあります。世界最大級のシナゴーグを訪れたり、教会の尖塔としてはチェコで最も高い塔からの眺めを堪能してください。

現在も続く家庭でのビール醸造の伝統

小さなビール醸造所に興味のある方は、是非ドブジャニ（Dobřany）の醸造所を訪れてください。この地のビールは“ドブジャニの星（Dobřanská hvězda）”、または“ドブジャニの竜騎兵（Dobřanský dragoun）”と評され、数々の賞を集めています。ロキツァニ（Rokycany）の小さな醸造所、ウ・ストチェスー（U Stočesů）では、フルーツ風味の軽い口当たりのビールが楽しめます。ビールの試飲で心地よくなったら、しばらくは古典主義建築コゼル城などの史跡めぐりにきりかえてみてはいかがですか。

ビールスパでもビールを

ビール街道は続いて、西ボヘミアで最も古い醸造所へご案内します。12世紀からの醸造の伝統を有する、ホドヴァー・プラナー（Chodová Planá）です。精製したプレジデント（Prezident）やザーメツキー・レジャーク（Zámecký ležák）を味わうだけでなく、ビールスパで休憩するのも一興です。ストシーブロ（Stříbro）のウ・リビチェク（U Rybiček）醸造所ではバナナやチェリー味のビールを試すことができますが、心地よい旧市街の探訪もお忘れなく。プルゼニュ地方のシュマヴァ山脈周辺では、ビール街道はクラトヴィ（Klatovy）のビールスタジオ、モドリー・アッベー（Modrý Abbé）にご案内します。ここで味わうべきは、半黒ラガーのグラナート（Granát）か、未濾過ノンアルコールのスヴァティー・クリシュトフ（Svatý Kryštof）です。後者は運転なさるかたにもお試しいただけます。シュマヴァ国立公園の国境地帯ジェレズナー・ルダ（Železná Ruda）にもビール醸造所があります。当地のベルヴェデール（Belveder）ではホップ量13はちみつ風味のパシェラーク（Pašerk）を試してみてください。