プルゼニュの街ではビールの歴史や中世の雰囲気をいきいきと感じることができます。ピルスナー・ウルケルのビール醸造所を訪問するのであれ、ビール醸造博物館を見学するのであれ、あるいは地元の居酒屋で時を過ごすのであれ、いたるところで13世紀まで遡るビールの歴史が今に息づいているのを感じとることができるのです。
天才ビール醸造家とプルゼニュの伝説のビール醸造所
ボヘミア王ヴァーツラフ2世がプルゼニュにビール醸造権を授与したのは1295年のことでした。しかし製造されていたビールの品質には明らかにばらつきがあり、ある時には町の参与官が品質の悪いビール36樽を流して捨てさせたこともありました。この出来事が「住民のビール醸造所」創設のきっかけになりました。19世紀になり、新しいビール醸造所で最初のビールを醸造したのは、ドイツ・バイエルン州ヴィルスホーフェンから招聘された天才ビール醸造家ヨゼフ・グロルでした。ジャテツのホップとプルゼニュの軟水、それにやや明るい色の麦芽の組み合わせが功を奏し、伝説的なプルゼニュのビール製造に着手する運びとなったのです。
ピルスナー・ウルケルを樽ビールで味わう
ピルスナー・ウルケル醸造所のご見学においては、世界的に有名なラガービール、ピルスナー・ウルケルの製造現場を実際に目することができます。使用している原材料の展示、歴史的な醸造室と瓶詰室、現在の醸造室と瓶詰室をご見学になれます。無濾過ビールやオーク樽で貯蔵されたビールの試飲コーナーでは極上の味をお楽しみになれます。後日、一番美味しいビールはどこでお飲みになったかと今度どなたかに訊ねられたとき、ピルスナー・ウルケル醸造所のことを思い出されるに違いありません。
美味しいビールの注ぎ方を習得する
プルゼニュで二番目のビール工場となるガンブリヌス醸造所の見学では、まずインタラクティブ展示で楽しむことができます。本気でビールの目利きになりたいという方は、ビールの注ぎ方やビールの取扱いに関する講習会に参加するのがよいでしょう。旧発酵倉庫を改装したチェコの伝統ビアレストランのナ・スピルツェで醸造所めぐりの旅を締めくくるというのも悪くありません。