ブルノのことを、モラビアのマンチェスター、チェコ建築のメッカ、カフェの街、あるいはモラビアの首都と称することがあります。でも、これらの名称以上に多くの体験を提供できるのです。この街には多くの大学、学生の生活があり、カフェやバー、素晴らしい建築物、その昔の遺産が待っています。さあ、ブルノで逃してはならないものをお教えしましょう。
建築史に残る邸宅
モラビアの首都には20世紀初頭の建築の移り変わりを読み取れる、4つの素晴らしい邸宅があります。レーウ・ビール邸、ユルコヴィチ邸、スティアッスニ邸、そして最も有名なのがトゥーゲントハット邸です。これらの素晴らしい建築はブルノ中心街の近くにあり、どこも入場可能です。2001年からUNESCOのリストに登録されている機能主義建築のトゥーゲントハット邸は、ドイツ建築家のルドヴィク・ミース・ファン・デル・ローエの作品。世界近代建築の基礎をなした建築物に数えられます。この邸宅の入場券は、訪問の数か月前からオンラインで予約してください。建築的に興味深いものは他に、第1次共和国時代のカフェ、エラ(Era)、サヴォイ(Savoy)あるいはヤナ―チェク劇場そばの復刻されたゼマン・カフェ(Zemanova kavárna)などがあります。
エネルギッシュな街、ブルノ
街を楽しみたいなら、中心街へ出かけてください。自由広場、ヤクプ広場やモラビア広場周辺なら、きっと楽しめます。日中は心地よいカフェの空間があり、夜は本格的な雰囲気のレストランやバーがオープンします。これらの店舗は地元の人たちだけでなく、学生や観光客にとっても魅力的。特に暖かい季節は屋外で眺めを楽しみながら夕食をとったりドリンクを楽しんだりできます。更に冬には、有名なクリスマスマーケットが開かれます。今年のクリスマスに向け、ブルノは2024年ヨーロッパ・クリスマス都市のタイトルを得ています。古都の若々しい息吹
今、ブルノでいちばん新しいランドマークは、ヨシュト侯爵の騎馬像。このモダンな像と自撮りするのが人気です。そのすぐそばにはアフリカ花崗岩で作られた、機械仕掛けで弾丸の形をしたブルノの天文時計があります。自由広場の時計仕掛けの装置からは、毎日11:00になるとガラスの玉が飛び出してきます。運が良ければガラス玉を手にいれられるかも。さあ、ここで問題です。天文時計は何時を指しているかわかりますか?見逃してはいけない場所
ブルノはもっと多くのものを見せてくれます。時間があるなら、ブルノパスを購入するのが良いでしょう。これによって動物園、聖ヤクプ教会の納骨堂あるいは大聖堂などの場所によっては、無料で入場できます。他の場所では割引が適用されます。トゥーゲントハット邸:ブルノの邸宅でも特に名高いこの建築物は、UNESCOの世界文化遺産リストに登録されたチェコ近代建築の唯一の遺産です。見学できないとしても、せめて庭は訪れてください。庭への入場券は購入可能なことが多いです。
キャベツ市場とその地下:新鮮な野菜を買って、800年前から続いている市場の今の姿を知りたい?そんな機会があります!朝、まだ品物があるうちにキャベツ市場を訪れてください。午後に行くのなら、逆に地下を覗いてみるのがいいでしょう。地下8メートルの場所にある地下道と倉庫の迷宮があなたを待っています。冷蔵庫代わりに地下倉庫を使っていた中世の時代を垣間見られます。
シュピルベルク城:城は13世紀に建設されました。以降、モラビアの支配者たちの居城として使われただけでなく、牢獄や軍の駐留所としても利用されました。現在はブルノ市博物館があり、コンサートや舞台を楽しめます。展示、砲郭あるいは公園を訪れて、美しい街の眺めを楽しんではいかがですか?
旧市庁舎:旧市庁舎は、現在では文化的目的に使用されています。夏はクリスタル・ホール、フレスコ・ホール、宝物庫を見学できます。あるいは63メートルの高さの塔に上って、素晴らしいブルノの眺めを楽しむこともできますよ。
イエロー・ヒルの貯水庫:お次も地下の観光地です!新しいブルノの「見どころ」は、中心街近くのイエロー・ヒルにある、改装された公園の草地の下に隠れています。古い3つの貯水庫は地下聖堂と呼ばれており、1874年、1894年、1917年に作られました。2つはレンガ造り、3つめはコンクリート製で、ヨーロッパでも珍しいものです。驚くこと間違いありません!
聖ヤクプ納骨堂:聖ヤクプ教会の地下にある納骨堂は、神秘的な雰囲気をもつ巡礼の地です。遺骨の数ではパリのそれに続き、ヨーロッパで2番目の規模にあたります。
聖ペトル・パヴェル大聖堂:ゴシック様式で目に付く聖堂は、ペトロフ(Petrov)と呼ばれる丘の上に立っています。この塔の鐘は、その昔、ブルノがスウェーデン軍に包囲された際にラデュイ・ド・ス―シュ総督が使った計略についての伝説を思い、昼11:00に鳴らされます。伝説では、スウェーデンの総督トルステンソンが、昼の鐘が鳴るまでに町を征服できなかった場合、包囲を解くと宣言したといわれています。その当時から、昼の鐘は1時間早く鳴らされるようになりました。
2024年秋、目玉の催し
プロトタイプフェスティバル(10月25日~27日):イエロー・ヒルの貯水庫で、10周年目を数える芸術と学術、技術の融合によるフェスティバルが行われます。国際映画祭BRNO 16(10月2日~6日):国際ショートフィルム・フェスティバル、BRNO16は国内でも特に歴史ある映画祭の1つに数えられます。更には世界で最も古いショートフィルム・フェスティバルでもあるのです。様々なジャンルのショートフィルム以外に、ディスカッション、ワークショップ、展覧会、ビデオゲーム・プログラムも行われます。
ヤナーチェク・ブルノ(11月1日~24日):クラッシック音楽のフェスティバルは、レオシュ・ヤナーチェクがその人生の多くを過ごした街で9年目の開催となります。トップクラスのオペラハウス、有名指揮者、監督、歌手の芸術で、内容の濃いプログラムを楽しめます。