廃棄物、気候への影響を削減、そしてクリーンなよりよい地球を目指している、2024年開催のフェスティバルをいくつかご紹介しましょう。サステナブルに楽しんでください!
United Islands:夏のフェスのトップバッター!
今年最初のサステナブルなフェスティバルは、United Islands of Pagueです。国際マルチジャンルフェスティバルで、5月3日と4日にプラハ市内で繰り広げられます。United Islands of Pragueのオーガナイザーのビジョンは、経済的、社会的、環境的、文化的側面での持続可能性を柱にしたサステナブルなフェスティバルであること。もちろんグリーンエネルギーを利用し、オーガニックの品質でベジタリアン、ビーガンフードを提供し、無包装を心がけ、カーボンフットプリントの補償やサステナブルな交通を掲げています。また雨水を利用し、コンポストトイレを使用。分別ごみ、コップのリサイクル、バイクシェア会社との提携は基本です。こういった配慮によって、2024年のサステナブルな文化行事の中でも確固たる地位を築いています。United Islands of Prague ©Jiří Rygel
Zlín Film Festival:子供と若者のためのフェスティバル.
モラビアでうまれた靴メーカー創始者のバチャで有名なズリーンは、6月初めに第64回フィルム・フェスティバルを予定しています。同種の映画祭の中では、世界で最も古く規模の大きいことで知られていて、毎年120 000人余りの若者、更に大人も訪れます。フェスティバルは子供の教育に焦点を当てており、世界についての概念を養うことを目的にしています。そのため、このフェスティバルにとってサステナブルというテーマは重要なのです。今年も開催地で植樹を行い、地球にやさしい生活スタイルを目指します。
Rock for People:気配りできるロックフェス
豊かな歴史を持つフラデツ・クラーロヴェー近くで行われるフェスティバル。6月12日から15日までの期間に、The ProdigyあるいはThe Offspringのような人気グループを楽しめるだけでなく、自然環境に対するリスペクトも表現するフェスティバルでもあるのです。人気のフェスティバルはここ数年のトレンドを追随しています。「サステナブル」は単に緑色のステッカーを配るだけで終わるものではありません。ここではソーラーステージが導入されており、ステージの電気はソーラーパネルと太陽光発電によって賄われているのです。他にも革新的な水素動力システムを利用したステージもあります。これだけではありません!フェスティバルは地域の生産者と協力し、ベジタリアンフードやビーガンフードを多く提供しています。今のところチェコの法律は義務付けてはいませんが、全てのペットボトルとアルミ缶をリサイクルする徹底ぶりです。
スメタナのリトミシュル:エコロジカルにフェスティバルを
今年のクラッシック音楽祭スメタナのリトミシュルは、作曲家ベドジフ・スメタナの生誕200周年を祝う行事の中でもその中心となります。6月8日から7月7日、50以上の舞台公演やコンサート、更に他数十に及ぶ催しを楽しめます。今回のフェスティバルは、期間の長さの点でも内容の幅の点でも、1946年にフェスティバルが始まって以来最大級のものになるのです!同時にオーガナイザーは特別なシャトルバスを用意しています。フラデツ・クラーロヴェー、パルドビツェ、ブルノを結ぶラインです。コンサートが終われば、そこからそのままバスに乗って、エコロジカルな方法で帰宅できるというわけです。
Colours of Ostrava:バリアフリーなフェスティバル
人気のあるオストラヴァのマルチジャンル・サマーフェスティバル(7月17日-20日)は、もちろんリサイクルを心がけ、大気への影響が最小限に抑えられるよう努力しています。更に、もう1つの分野にも力をいれています。それはバリアフリー!2011年以降、フェスティバルは健康上の理由から不便を伴う観客に対し、フェスティバルを完全に楽しんでもらえるよう配慮しています。毎年、自閉症の人々や視力、聴力など身体機能面に不便のある人たちが、フェスティバルを訪れています。そういった人たちのために、駐車スペースや特別観覧席の予約ができるようになっています。聴力に問題のある方は、チェコ語手話通訳を利用することも可能です。いくつかのコンサートでは通訳もされています!つまり、誰もが歓迎されるフェスティバルだということです。
Let it Roll:エレクトロニック・ミュージックでエコを目指す
エレクトロニック・リズムのファン皆が心待ちにしている、ドラムとベースのフェスティバルは8月1日から3日、プラハから近いミロヴィツェにある元空軍空港で行われます。Let it Rollのオーガナイザーは今年も、フェスティバルのエコロジーと環境への取り組みとして、Rollin’ Greenプロジェクトを打ち立てました。グリーンポイントでは紙ごみやプラスティックごみ以外にアルミ、バイオ、食料ごみに分別されます。食べ物は簡単に分解されるヤシの葉を利用した食器にのせられ、ナイフやフォーク類は利用後は肥料にできるリサイクル資源から作られています。
Let It Roll ©Lenka Hradilová
Prague Pride:社会的・環境的持続可能性を重視
夏のフェスティバルとして忘れてはいけないのが、広く一般も参加できる、LGBTQ+と社会的平等に重点を置いたフェスティバル、Prague Prideです。今年は8月5日から11日までの期間にプラハ中心地の様々な場所で行われます。ここでは地産の食材やリサイクル、あるいはエコロジカルな包装に力を入れています。Ji.hlava(イィ.フラヴァ):お手本となるフェスティバル
エコロジカルなフェスティバルといえば、国際ドキュメント映画祭Ji.hlavaもあります。28周年の今年は10月25日から11月3日まで開催。フェスティバルのケータリングはベジタリアンフードで、食材は主にヴィソチナ地方の地域生産者からのもの。また、印刷物数は最低限にとどめ、公共交通機関とシェアサイクルを最大限に利用しています。つまり、サステナブルに行動し、地球上の仲間たちや次世代の犠牲の上に生きるのではなく、集団責任を意識する。これがji.hlavaのモットーなのです。