チェコの城館の魅力を更に際立たたせているのが、華麗で広大な庭園。その美はどの季節にもご鑑賞いただけますが、最も美しいのはやはり開花の季節、春でしょう。以下ではフランス風庭園、英国風庭園、あるいはユニークな庭園建築で飾られた広大な公園などをご紹介いたします。ロマンチックな花満開の庭園散策を、貴方も是非ご体験ください。
クロムニェジーシュの花の庭園と城下庭園
東モラヴィアのクロムニェジーシュには、オロモウツの歴代司教、大司教の夏の邸宅があります。この城館およびその花の庭園、城下庭園は、ユネスコ世界文化・自然遺産に登録されています。花の庭園には、幾何学模様を成す花壇、迷路そして彫刻が立ち並ぶコロネード、あるいはグロッタやフーコーの振り子があることで知られるロトゥンダがみられます。一方城下庭園は、かつて実用目的に使用されていましたが、17世紀にバロック式庭園に整備されました。またワイン貯蔵に理想的な城の地下室には、見学者試飲用に何種類もの極上のモラヴィア・ワインが用意されています。レドニツェ=ヴァルチツェ地区
南モラヴィア、ブルノの近くにある、レドニツェ=ヴァルチツェ地区もまた、ユネスコ世界遺産に登録されている名所の一つです。公園として人工的に整備された土地としては世界最大の景観地区で、そのためヨーロッパの庭園とも呼ばれています。ここには広大な公園、人工湖沼群と自然の中に配置された歴史的建築物(狩猟館、聖堂、礼拝堂など)があり、散策に理想的な場所を提供しています。また壮麗な2つの城館・レドニツェ城、ヴァルチツェ城ももちろん必見です。チェスキー・クルムロフ城の庭園
南ボヘミアのチェスキー・クルムロフ城は、ユネスコ世界遺産の中でも観光入込客数最大級のスポットに数えられています。この広大な城の敷地内で最大の面積を占めているのが、バロック庭園です。これはもともと17世紀後半に造園されたものですが、19世紀に大規模な整備がなされ、その外観は英国庭園に塗り替えられました。今日ここは10ヘクタールの広大な散策コースとなっていますが、中でも神話の神々の彫像、壺、そして四季を寓意的に表した像で飾られたカスケード噴水は圧巻です。プラハ城内庭園
プラハの壮麗なパノラマ景色を楽しみながら、ロマンチックなひとときを体験してみませんか。プラハ城内には、無料で一般公開されている庭園がいくつかありますが、そのうち北側の庭園は歴史的価値が高いのに対して、南側の庭園は、美しい町の歴史地区が一望できる地の利を備えています。城内最大の庭園は王宮庭園ですが、その中には王家の夏の宮殿、球戯場、ライオンの邸宅などの歴史的建物のほか、外国から取り寄せられた樹齢百年を超える樹木も多々みられます。プラハのトロヤ城庭園
トロヤ城庭園は、その名のとおりトロヤ城の周囲を飾る庭園ですが、特にバロックのお好きな方必見の場所です。ここには彫刻、パーゴラ、甕、壺、四阿、あるいは噴水など、典型的なバロック庭園の要素が全てちりばめられています。庭園の東側には、シデと水の障害物から造られた迷路もみられます。プルーホニツェ城内公園
プルーホニツェ城内公園は、首都プラハの町境から南東にわずか数キロ行ったところにある、広大な自然公園です。その規模はヨーロッパでも最大級のものとされており、2012年にはユネスコの世界遺産にも登録されました。その250ヘクタールの敷地内には、広大な池や堰のほか、在来・外来種合わせて1,600種類もの樹木がみられます。またこの公園はツツジのコレクションでも知られており、その数は100種類、全8,000株ほどにまで及んでいます。リトミシュルの修道院庭園
東ボヘミアにお出かけの際には、リトミシュルの修道院庭園に是非お立ち寄りください。この庭園は、旧エスコラピオス修道院の隣、市内の二つの教会の間にあり、町を見下ろす高台の土地約11,000 m2を占めています。 ここでは周囲の素晴らしい景色の他、四阿、花壇、あるいは散水装置付きの池とこれを飾る有名なチェコ人彫刻家オルブラム・ゾウベクの作品などもご鑑賞いただけます。また園内の芝生はリラクゼーションに最適の場。静かに奏でられるクラシック音楽と、昼と夜とで変化する照明が、寛ぎの雰囲気を更に高めています。修道院庭園は、一年を通して一般公開されています。上に挙げた庭園をはじめとするスポットをちょっぴり違う角度から見学されたいという方は、6月第2週の週末に開催されるオープン・ガーデン・ウィークエンド(2019年6月8~9日)を是非ご利用ください。この企画には、チェコ国内でも人気の高い庭園が多々参加し、それぞれ様々なイベントを用意して見学者を迎えます。その大半が、庭園、公園の歴史、現在、そして将来的計画に関する解説付き見学コース、そしてコンサート、演劇などのプログラムとなっています。