有名なバロックの建築家キリアーン・イグナーツ・ディーンツェンホーファーの計画により建設された大きなバロック様式の教会と、ゼレナー・ホラのバロック様式の城が町の脇にそびえる聖人の故郷。これら全てが、西ボヘミアのプルゼニュから南にある町、ネポムクです。美しい小さな町の雰囲気、多くの歴史的な記念物や近隣の自然によって、ボヘミアの中でも人々を惹きつけている観光地となっています。
聖ヤン・ネポムツキーは14世紀を生きた人ですが、実際に聖人となったのは1729年になってからのことです。ネポムクという人の意義はチェコとヨーロッパの別なく、バロック時代で最も重要な聖人となりました。チェコの田舎では、おそらくどこの道の曲がり角にも必ずこの聖人をまつる祠があり、彼の彫像があることでしょう。伝説に従えば彼の生家があったとされる町の下部地域に、彼を守護聖人とするキリアーン・イグナーツ・ディーンツェンホーファーの建築によるバロック様式の教会が建っています。教会中心にある小さな祭壇は、ヤンのゆりかごと呼ばれ、小さなヤンはまさにこの場所で生まれたといわれています。内装全体は、バロック様式の建築と美術の好例でもあります。パイプオルガンや、18世紀に造られた説教壇の彫刻からうかがい知ることのできる、その昔の巨匠たちの彫刻の技は称賛に値するでしょう。