チェコのグルメ探求
美味しい食べ物、飲み物に関心のない方はまずないでしょう。チェコでは様々なフード・イベントで、チェコ&世界の料理、チェコ・ビール、あるいはワインをお試しいただけます。ここでは例えばガチョウ料理が楽しめる場所、あるいはワイン祭り、チェコ・ビールのミニ醸造所などをご紹介いたします。

ご当地グルメ 

ご当地フード・フェスは、常にその地方に特徴的な食品、特産品をテーマとしたものとなっています。例えば数百年に渡るアスパラガス栽培の伝統を持つモラヴィア・イヴァンチツェでは、毎年アスパラ&ワイン祭り(5月19~21日)が開催され、美味しいアスパラガス料理とワインが提供されています。またグルメ・ショーやカルチャー・プログラムもお楽しみいただけます。一方南ボヘミアのボロヴァニでは、グルメ=カルチャー・フェステイバル、ブルーベリー収穫祭(7月8、9日)が開催され、市内の修道院でブルーベリーを用いた様々なデザートが振る舞われほか、中庭では工芸市も開かれ、他では決して買うことのできないようなものもお買い求めいただけます。またチェコ屈指のキュウリの産地として知られる南モラヴィアズノイモでは、毎年キュウリ祭り(8月4日)が開催され、これに付随して行われるファーマーズマーケット、グルメ・ショーも相まって絶大な人気を博しています。一方お酒がお好きという方には、プラム収穫祭(8月18、19日)がお薦め。今年もスリヴォヴィツェ(プラムを発酵させてつくる蒸留酒)で有名なモラヴィア・ヴィゾヴィツェのディスティラリー「ルドルフ・イェリーネック」敷地内で開催されます。ここでは今回もプラムが主役。プラム入りダンプリング、パンケーキ、そしてもちろんスリヴォヴィツェとしてもお楽しみいただけます。最後に肉料理がお好きという方にお薦めのイベントをご紹介しましょう。これはモラヴィアのボコヴィツェで開催されるガチョウ祭り(9月23~24日)で、ウィーンのオーストリア皇帝の食卓にまで運ばれたという、ボスコヴィツェ・グースのかつての栄光を称える意味を込めたものとなっています。この週末、市内各地のレストランで様々なガチョウ料理が供されますが、その際ボスコヴィツェ城の温室も、巨大なレストランに早変わりします。 

料理・飲み物の美味しさが自慢のフード・フェス 

食通の間で大人気のイベント、フレッシュ・フェスティバルは、今年もプルゼニュ(5月19、20日)、リベレツ(6月16、17日)、パルドビツェ(6月9、10日)に開催され、セレブ・シェフや最新のグルメ・トレンドを紹介します。またリトミシュルでも恒例のイベント、M・D・レッティゴヴァーの食の祭典(5月20、21日)が開催されます。チェコ共和国の異なる地域を知りたいなら、ボヘミア西部のドマジュリツェで開催される「Chodské slavnosti」(8月11日~13日)を訪れてみてはいかがでしょうか。このフェスティバルでは、典型的なチェコ料理だけでなく、チェコの伝統的なフォークロアも体験することができます。

お薦めビール・フェス 

チェコを知るために絶対に欠かせないのが、ビール。チェコの黄金の宝と言われているビールは、チェコ人の誇りそのものです。そんなビールを試すのに最高の機会を提供してくれているのが、ビール・フェスティバルです。チェコでは大規模な醸造所は、少なくとも年に一度、自社のビール祭りを開催するのが伝統となっています。こうしたビール・フェスでは、ビールのほか、ビールの肴となる肉、チーズのグリルが用意され、音楽演奏や夜のプログラムなどもお楽しみいただけます。代表例としては、ヴィソチナ地方・フンポレツ市で開催されるベルナルド・フェスト2022(6月16、17日)、東ボヘミアのポトシュテインで開かれるクロック/デー(7月29日)、ノショヴィツェのラデガスト醸造所が会場のラデガスト・デー(8月)などが挙げられます。いずれもフェスティバルという名にふさわしく、ビールと食べ物のみならず、カルチャー&ミュージック・プログラムも豊富に提供しています。またビール・フェスと音楽祭との間に位置しているイベントもあります。ジャテツドチェスナー(9月1、2日)がその典型で、世界で最も質の高いホップの名称ともなっているこの町では今年、やはり質の高い音楽プログラム、そして100種以上のビールのテイスティングをお楽しみいただけます。

では、様々なビール醸造所の味を一度に試してみたいときは、どこに行けばよいでしょうか。プラハのカルリーン地区で開催されるビール&バーガー・フェスティバル(5月21日)では、ボヘミア、モラビアのクラフト・ビール醸造所、そしてハンバーガーを紹介しています。さらに国内ミニ醸造所の製品紹介イベントのクライマックスと言えるのが、プラハ城で行われるミニ醸造所フェスティバル(6月9、10日)です。これにはチェコ、モラヴィアの66のミニ醸造所のほか、外国からも3軒のミニ醸造所が参加しています。

ワインのメッカをご紹介 

チェコではワインは主としてモラヴィアで造られています。葡萄収穫祭は伝統的に秋に行われ、実際の収穫は本格的な冬の訪れ以前になされています。そのため9月いっぱいおよび10月初旬は、南モラヴィアは葡萄・ワイン一色に染まるのです。この時期のイベントの中でも最も人気があるのが、歴史的な雰囲気の中、ズノイモの中心部全体を賑わすズノイモ葡萄収穫祭(9月8~10日)です。一方ミクロフパーラヴァ葡萄収穫祭(9月8~10日)では、地元のワインのほか、フォークロアと歴史的イベントで盛り上がります。収穫祭の期間中、ミクロフ城の中央ホールは全国ワイン・コンテストの公開会場となり、ここでミクロフ・ワイン地帯の白ワイン、ロゼ、そして赤ワイン500種以上をお試しいただけます。また9月16、17日の週末にプラハにおられる方は、プラハ植物園の聖クラーラ葡萄園で行われるトロヤ葡萄収穫祭に是非お越しください。ここでは地元のワイン造りの様子をご紹介いたします。もちろんワインセラー見学も可能で、2022年物のワイン、ブルチャーク(=フェーダーヴァイサー、若い発酵途中のワイン)などをお試しいただけます。南ボヘミアチェスキー・クルムロフでは、童話の中から出てきたような美しい町を背景に、国内外のワイン、および名物料理を紹介するワイン・フェスティバル(10月6日~11月25日)が再び開催されます。さらに特記すべきは、南モラヴィアのムチェニツェで行われるユニークなイベント、フェスティバル・メズィ・スクレピ(ワインセラーの間の意)(6月16、17日)です。ここでは普段なかなか足を踏み入れることのできないようなワインセラー40カ所が公開され、ワインが最適の室温で保存され、最高の味を維持している樽から直接テイスティングをお楽しみいただけます。