プラハの国民劇場は、演劇やオペラ、バレエを上演する国内で最も名高い劇場です。全てのチェコ人俳優にとって、この舞台に立つことは大きな誇りとなります。劇場は浮き沈みを経験しました。1881年の火災は国民的悲劇ともいえるでしょう。ここは現在でも、チェコや世界の特に偉大な芸術家たちの作品の響きを味わえる場所なのです。ドヴォジャーク、ヤナーチェク、シェークスピア、ビゼーほか多くの芸術家たちはこの劇場の歴史であり現在でもあるのです。
不死鳥フェニックスのように
国民劇場がチェコの首都のヴルタヴァ川右岸に建設されてから、140年以上になります。建設開始は1868年、完成はその13年後でした。しかし、その完成式典からたった2か月後に火災によって全焼してしまったのです。それはまさに国民的悲劇というべきものでした!少々言い過ぎかもしれませんが、国民劇場が燃えているそばから、人々は再建に向けての募金を始めたといいます。そのような努力が実を結んですぐに高額の再建費用が集まり、火災直後から再建が開始され、その2年後の1883年11月18日に2度目のオープンを迎えました。知っていますか?
国民劇場再建に向けた全国規模での募金活動は、チェコ語の挨拶の1つである「ナズダル (nazdar)」という言葉をうみました。募金箱にはこのような言葉が書かれていたのです。「Na zdar Národního divadla(国民劇場の成功のために)」人々はこの文を短くして、「nazdar」という挨拶を交わすようになり、その挨拶は今も使われています。