レトフラトでいにしえの美を味わう
東ボヘミアの
レトフラトには、チェコ最大の
工芸博物館があり、
伝統工芸を広範かつ詳細に紹介しています。特に1840年から1930年にかけての時期における工芸、職業に関する総括的な展示が充実しており、ここでは
指物師、あるいは
木彫師などのよく知られた職業のほか、
へら絞り工、
車大工、そして
屋根葺き職人などの仕事も紹介されています。館内には
100年前の教室あるいは新しい
ベツレム展示などもあり、特にお子様にお楽しみいただけます。さらにユニークな
歯医者と婦人科医の診察室コーナーでは、1924年に建てられた2つの歯科診察室、婦人科診察室、そして1960年当時の手術室の展示がご覧いただけます。
紙の体験
モラヴィアの
ヴェルケー・ロスィニにある手漉きの製紙工場は、420年以上前に設立されたもので、
現在も機能しているものとしては欧州最古の製紙工場となっています。この工場、そして
紙の博物館を見学することにより、いにしえの工芸の秘密に迫ることができます。ここではまた、自分の手で作った紙をお土産として持ち帰ることも可能です。
ガラスの繊細な美
チェコはガラスとクリスタルの生産部門でも、
何百年も続く伝統を誇っています。この伝統を知りたいという方は、
クルコノシェ山地の町・
ハラホフの
ノヴォサト&スィンと呼ばれるガラス工房を是非お訪ねください。これは、今日まで途切れることなく機能し続けているガラス工房としては世界最古のものとなっています。ここでは現在も昔ながらの方法を用い、手仕事でガラスが作られています。事前に予約すれば、工場見学の際に自らガラス作りに挑戦することも可能です。同様に、
北ボヘミアのクンラチツェ・ウ・ツヴィコヴァ村にある
パシネック・グラスにおいても、ガラス作りに挑戦して、ガラス工の気分を味わうことができます。
昔の機械で印刷
手漉きの紙は既にゲットしましたので、今度はこれに何か印刷してみましょう。
中央ボヘミアの
クトナー・ホラには、その名も
書籍印刷所(Knihtiskárna)という博物館がありますが、ここでは展示物を間近に見ることができるばかりか、触れることもでき、中には実際に使ってみることができるものもあります。ここには例えば昔の手動のプレス印刷機、ユニークなアメリカ製の組版機、そして1850年から20世紀前半に至るまでの時期に使用されていた印刷・製本所の一連の設備などをご覧いただけます。10人以上の団体であれば、事前に予約すれば、溶解した金属を文字の型に流し込む様子をご見学いただくことも可能です。また100年前の印刷機「ボストン」を用いた、
クトナー・ホラの絵葉書印刷も是非お試しください。ご自分の作品は、お土産としてお持ち帰りいただけます。
レースの繊細な美
東ボヘミアの町・
ヴァムベルクは、
レース編みの伝統で知られていますが、ここではこの繊細な工芸の歴史と現在を、
ヴァムベルク・レース博物館で紹介しています。ヴェムベルクのレースは非常に人気が高く、19世紀から20世紀初めまでは、この町のどの家庭でもレースを編んでいました。現在は手編みレース生産はヴァムベルクスカー・クライカ社(「ヴァムベルクのレース」の意)に集約されており、ここでお土産も購入することができます。中でも家で額に入れて飾ることのできる
レース画は非常に人気がありますし、レースの
ランチョンマットも人に差をつけるユニークなスーベニアとして重宝されています。
昔の名人のごとく編みこむ
南ボヘミアの町、
インドジフーフ・フラデツの「
タペストリーの家」は、この町が誇る織物の町としての100年以上の伝統を受け継ぐもの。現在は
昔の織物の復元を専門的に行っており、現在も館内ご見学の際には、経験豊富な織物職人や復元の専門家が、昔の貴重な織物作品を修復している様子を、生でご覧いただけます。「タペストリーの家」は、インタラクティブ・ミュージアムで、見学者は誰でも織機でその腕を試すことができます。またお子様はキッズ・コーナーで、やはり織物の基礎とそれに関係する技術を実践で身に着けることができます。
産業遺産見学コース
北
モラヴィアは、産業革命以後急速な発展を遂げた地域です。ここには
工場や
工場制手工業が次々と現れ、更に鉱物原料が豊富にとれたため、
採石場や
鉱山も各地に整備されてきました。現在はこうした
この地方の技術・工芸遺産の軌跡は、
テクノルートに沿って進むことにより、効率よく辿ることが可能となっており、道中では繊維工場やスレート鉱山の見学に立ち寄ることもできます。お土産としては、手作りのハート型の粘土くり抜きや、オリジナル・プリント入りTシャツなどはいかがでしょうか。
スルプの水車 - 水車職人芸を知る
南モラヴィアの町・
ズノイモの近くにある
スルプ水車は、かつてはモラヴィア最大規模の水車に属していました。最近改築を経て、
中世から20世紀初頭にかけての水車技術を紹介する博物館としてオープンしました。ここに展示されている機械は全て今も機能しており、そのことは見学の際に確認することができます。またここでは毎年
パン祭りが開催されますが、今年も9月3日、たくさんの職人が集合して水車を動かす中、パン焼きのデモンストレーションやフォークロアの舞台をお楽しみいただけます。