ユネスコ世界遺産見学に最適の時期は、そこで面白いイベントが開催されている期間。トシェビーチでは、ユダヤ文化フェスティバル「シャマイム」、テルチでは時代祭り、そしてチェスキー・クルムロフではバロック・シアターの期間がこれにあたります。ユネスコ世界遺産3都市で、三様のフェスティバルをご体験ください。
シェビーチ:ユダヤ人街の生きた息吹
ユダヤ人墓地、ロマネスク=ゴシック式の聖プロコプ教会とともにユネスコ世界文化自然遺産に登録されているトシェビーチのユダヤ人街は、狭い路地などロマンチックなスポット満載の場所。ここでは毎年7月末から8月初旬にかけて、ユダヤ文化フェスティバル「シャマイム」が行われ、かつてこの地で暮らしていた人々の文化を回想します。主としてザドニー・シナゴーグを会場として行われるコンサート、講義、ダンスの舞台のほか、ここでは魅力的な味と香りに溢れたユダヤの食の文化、カシェル・ワインなども紹介されます。また「セリグマン・バウエルの家」内にアレンジされた独創的な展示では、伝統的なユダヤ人の住居や当時の商店の様子を知ることができるほか、運がよければ代表的なユダヤ料理を試すこともできます。あとはユダヤ人街中心部にあるホテル・ヨゼフ1699に泊まれば、貴方のユダヤ体験は完璧なものになるでしょう。
テルチと時代祭り
ザハリアーシュ・フラデツとカテジナ・ヴァルドシュテイン祭りは、8月半ばに、テルチ中心部、チェコ国内で最も美しい広場の一つで行われます。ザハリアーシュとカテジナは、この町に美しいルネッサンスの顔をもたらした人物で、その意味で町と城がユネスコ世界遺産に登録されたのは、まさに彼らの功績といえましょう。2日に渡るフェスティバルでは、ザハリアーシュ広場とその周辺で、時代行列、剣士や曲芸師、青空シアター、時代音楽、騎士の馬上試合、伝統工芸のデモンストレーション、あるいは兵士の野営の様子などがご覧いただけます。またテルチにいらしたからには、聖霊教会の塔からの展望も是非お楽しみください。ここからはテルチ周辺の美しい風景が手に取るようにご覧いただけます。
チェスキー・クルムロフ:演劇とバロック
トシェビーチ、テルチ同様ユネスコ世界遺産に登録されているチェスキー・クルムロフは、まさにメルヘンの町。壮大な城と城館と城内博物館見学のほか、ラトラーン地区を散策したり、地元醸造所のビールを試飲したり、ヴルタヴァ川のロマンチックな船の旅に出たりとその楽しみ方は色々。またホテル・ルージェなど宿泊所も多様に用意されています。絵に描いたような街角、町を縦横に走る小道、広場や美しい城の庭園などは、まるで童話の舞台セットのようですが、チェスキー・クルムロフは実際、舞台背景のみならず、演劇そのものの存在でも知られています。演劇舞台としては、城の庭園内にあるモダンな回転式観客席を持つ屋外劇場、そして城の中にある歴史遺産としても大変貴重なバロック劇場の2ヵ所がありますが、後者は、チェスキー・クルムロフで毎年9月に開催されるバロック芸術祭の会場の一つともなっています。この世界最古のバロック劇場舞台では、バロックの音楽とダンス、バロック楽器の演奏、室内カンタータ、二重奏などのほか、当時の舞台装置を利用したバロック・オペラを現代風演出でお楽しみいただけます。