レドニツェ=ヴァルチツェ地区
朝は壮麗な城館を見学、午前中にムーア式建築のミナレット周辺をサイクリング。午後は古代ローマ様式の宮殿の影で水浴を楽しみ、夕方は白い岩稜の上を暮れゆく夕日を観賞する。夢のような休暇の一日に映るかもしれませんが、レドニツェ=ヴァルチツェ地区ではそんな一日を実際に体験できるのです。景観が素晴らしく文化財の数々と極上のワインでも知られるこの地域は、その美しい町並みと個性あふれるたたずまいから「ヨーロッパの庭園」とも呼ばれています。レドニツェ=ヴァルチツェ地区でサイクリングを楽しみながら、ユネスコの世界遺産の中でも随一の美を誇るこの地の魅力を満喫してください。

300平方キロメートル。実にこれほどの面積を持つ広大なレドニツェ=ヴァルチツェ地区は、人文的名勝としては世界最大の地域です。リヒテンシュタイン家が幾世紀もかけてこの一帯を自然と調和した地区に造りかえ、現在の他に類のない景勝地ができあがったのです。地域一帯は平地なのでサイクリングに最適です。道標が設けてあるサイクリングロードを進みながら、壮麗な城館、手入れの行き届いた公園、色彩豊かな花壇、ディエ川の河畔の情緒溢れる景観、スイレンに覆われた湖沼の陽光にきらめく湖面、肥沃なブドウ畑、それに陽光の降り注ぐこの土地の各所に建設されたあらゆる様式の建築遺産の数々を探訪することができます。道標を設けたサイクリングコースを合わせると全長90キロメートル以上になり、隣国のオーストリアにまで通じるコースもあります。まずは入念に自転車を調整して、それから地図を取り出しコースをお選びください。そしてヨーロッパ有数の美を誇るこの地域の物語を探訪する旅に出発してください。

最上のランデヴー体験

レドニツェ=ヴァルチツェ地区をめぐるサイクリングロードは、まったくのサイクリング初心者にも難易度の高い地形を好む上級者にも適しています。南モラヴィア方面では39キロメートルのリヒテンシュタイン・コースをお試しください。コースの大部分は平地に設けられており、文化財めぐりや自然探訪に向いています。ヴァルチツェを起点にロマン溢れるヨハン城(ヤン城)の遺跡とレドニツェ湖沼群を経由し進んでいくと古代ローマ風の三女神の寺院や聖フベルトゥス礼拝堂に着きます。さらに行くとパリの凱旋門を思わせるランデヴー(ディアナ寺院)にたどり着きます。オーストリア側の国境地帯の魅力にも触れてみたいという方は、ルートを延長なさってさらに24キロメートル進めば、シャッテンベルクやヴィルファースドルフにも行くことができます。

国境なきサイクリング

スタミナにあまり自信のない方もご心配なく。最短コースの一つで全長18キロメートルのヴァルチツェ・コースをお試しください。ワインの都ヴァルチツェを出発して、ライストナ柱廊やウーヴァリ、セドレツ、それにネスィト湖をめぐってからフロホヴェツに向かってください。道標が設置されたサイクリングロードを利用して起伏の緩やかなオーストリア国境地帯をサイクリングすることもできます。まず帝政様式のポハンスコ狩猟館を通り、ルジュニー・レス(河畔林)自然遊歩道を進んでいくと、ヨハン城を見学したり、見事なネオゴシック様式の城館と公園があるレドニツェを訪ねることができます。さらにサイクリングロードを進めば魅力満載のレドニツェ湖沼群を探訪することができます。お勧めの休憩場所は三女神の寺院や聖フベルトゥス礼拝堂、ランデヴー(ディアナ寺院)で、建物周辺はピクニックにも絶好の場所です。

自転車を降りて水遊び

思いっきり体を動かしたい方は、ぜひレドニツェ=ヴァルチツェ地区からパーラヴァまでの丘陵地帯のサイクリングをお楽しみください。これはヴァルチツェを始点にフロホヴェツ、レドニツェを経てネイデクやパヴロフを通りノヴェー・ムリーニまで抜けるコースです。ノヴェー・ムリーニにはダム湖が三つあり、パーラヴァ丘陵を望むこの場所は水浴や水遊び、ウインドサーフィンに最高の場所です。サイクリングにどのコースを選択なさるにせよ、優れた建築遺産の数々に彩られた自然の美に触れることができます。レドニツェ=ヴァルチツェ地区のサイクリングは一生の思い出になること間違いありません。