教会の建設のきっかけは、チェコの聖人である聖ヤン・ネポムツキー伝説に建築家が触発されたことでした。聖ネポムツキーは王妃の告解した秘密を王に明かすことを拒否したため、プラハの旧市街で長時間拷問された末に殺害され、その遺体はプラハのカレル橋からヴルタヴァ川に投げ込まれたのです。その瞬間5つの星が彼の頭の上に現れたと伝えられています。以来、数字の5はこの聖人の象徴とされるようになったのです。
サンティーニ・コードを発見する
建築家サンティーニは教会を五芒星の形に設計し聖ネポムツキーの伝説を建築に絶妙に組み込むことに成功しました。教会には星の象徴と数字の5は数え切れないくらい出現します。聖堂をぐるりと囲む回廊には五つの門と五つの小礼拝堂があり、聖堂内には祭壇が五つあり、主祭壇の中央には星が五つ配置されているのです。敷地全体に神秘的な象徴と謎が文字通り織り込まれており、専門家は教会から近郊にあるジュヂャール城の修道院につながっているという秘密の回廊への入口を探し続けています。
新世代の博物館へようこそ
ゼレナー・ホラにおいでの際には、ここからほんの数歩の距離にある城館にも必ずお立ち寄りください。これはもともと13世紀創設のシトー会修道院だったところで、建築家サンティーニの形見を今に伝える建物です。敷地内には新世代の博物館(Muzeum nové generace)なるものがありますが、ここでは実体験要素と、様々なチェコの機関から貸し出された展示物とを組み合わせた、モダンな展示が行われています。このマルチメディアの体験展示は、バロック時代にその最盛期を迎えたシトー会の僧侶たちが残した文化遺産にスポットを当てたもので、チェコでも他に例のない、ユニークなオーディオ・ビジュアル・プロジェクトとなっています。
ジュジャール・ナド・サーザヴォウ近郊ではこの他にも、ボブロヴァー(Bobrová)、あるいはオビチトフ(Obyčtov)、ズヴォレ(Zvole)の教会など、ヤン・ブラジェイ・サンティーニ(Jan Blažej Santini)ゆかりの建物をいくつか見ることができます。
周辺の観光地
ヴィソチナ地方に数日ご滞在になるならば、ぜひ周辺の観光地にも足をのばしてください。モラヴィア地方で最も美しい城郭の一つ、ペルンシュテイン城を訪れて失望する人はまずいません。またヨーロッパ有数の美しい広場があるのがテルチです。町に到着すると童話の世界に入り込んだかのような錯覚に陥ります。
ぜひゼレナー・ホラにお越しになって、チェコ国内で最も個性的な建築作品の魅力を味わってください。