毎年10月28日、チェコはその誕生を祝っています。1918年のこの日、チェコスロバキアという独立国家が成立したのです。チェコスロバキアは既に存在しなくとも、この日は今でもチェコ国民にとって特に重要な祝日と捉えられています。そこで皆さんに、チェコ国民と切っても切れない関係にある建築物等をご紹介しましょう。
劇場とその建設のための全国募金
プラハでヴルタヴァ川河畔に佇む国民劇場は、まさに国民の宝でありシンボルと認識されています。チェコ人は自分たちのための劇場を持つことを18世紀末から望んでいましたが、それがかなったのは数十年後です。ところが残念なことに、その劇場は竣工直後に灰と化しました。ですがチェコ人団結の大きな波により、たった47日の間に全国でなんと100万ズラティを集めることに成功し、劇場は修復されたのでした。こうして国民劇場は国民全員が関与した特別な存在となり、全国民のものとなったのです。今日でも変わらず使用されている劇場には、いくつかのアートシーンや特別なツアーもあります。
記念の山、ジープ
中央ボヘミア、プラハから約1時間の場所に、大きくはないけれど威厳ある記念すべき山があります。山の名前はジープ(Říp)。どうして記念すべき場所か、ですって?この山には、6世紀ごろチェコの地へはじめてスラブ人が到達したときの伝説が結びついているからです。伝説の1つによれば、チェコ民族初めての指導者であったチェフという名前のご先祖様が、この山に登り周囲を見渡し、良質な牧草や森のあるこの土地に定住することを決めたといいます。ジープは今日も国民の誇りと結びつく人気の場所となっています。

国民の装飾、国民ギャラリー
芸術を堪能したいならプラハ国民ギャラリーへ!1796年、チェコの有名貴族家系の人々が創設し、自分たちのアートコレクションの一部をそこへ集めたことによって始まりました。当時から現在までの長い道のりを経て、そのコレクションは膨大なものとなりました。もし展示スペース全てを周って全ての作品を目にしようとおもうなら、数日を費やすことになるほどの規模です!

遺産の守護神である博物館
プラハのヴァーツラフ広場にあって、改装されたばかりの壮大なネオルネサンス様式建築物は国民博物館です。素晴らしい自然・鉱物コレクションから国民にかかわる貴重な品々まで、チェコ国民の宝といえる品々を200年以上にわたり守り続けています。その中には、例えば第1次共和国の初代大統領の衣服なども含まれます。博物館は現在、数多くの展示スペースを所有しています。ですから、深い歴史を持つメインビルディングへ行き進化の奇跡についての展示で学んだり、あるいはチェコ音楽博物館に行って先達の音楽芸術に酔いしれたりすることもできるのです。珍しい展示物の中にはウォルフガング・アマデウス・モーツァルトが弾いたピアノがあります。
国家の威信を最高の形で顕現するホール
プラハ城内にある式典用の空間にも触れておかねばならないでしょう。ここで、チェコ大統領が国賓をもてなしたり、大臣たちを任命したりしています。祝日である10月28日には、あなたにもこの場所を訪れることができます!あるいは9月28日の祝日、聖ヴァーツラフの日には戴冠の秘宝を目にすることもできます。
市民会館-独立を宣言した場所
プラハの共和国広場に建つ市民会館は、100年以上の歴史を重ねたセセッション様式のお手本ともいえる美しい建築物です。アルフォンス・ムハのオリジナルの絵画も備えるこの至宝の内部を見学すれば、あなたにとって忘れがたい経験になることでしょう。この建物の中で1918年10月28日にチェコスロバキア共和国の建国が宣言されたとき、どんな感じだったのか想像してみてください!