壮大な「スラヴ叙事詩」、聖ヴィート大聖堂のステンドグラス、そして知られざるオリジナル作品の展示会などなど、チェコではムハの作品に触れられる場所が数多く存在します。貴方もチェコで、天才画家アルフォンス・ムハ(ミュシャ)の軌跡をたどってみませんか?
パリ - 運命の出会い
ムハの伝説的な作品、女優サラ・ベルナール主演の芝居「ジスモンダ」のために作成したポスター画の存在がなければ、今日アルフォンス・ムハは、当時成功を夢見てパリに移り住んだ数多くのチェコ人芸術家の一人に過ぎなかったかもしれません。このポスター画は文字通りムハのファム・ファタールとなったと言えます。パリっ子の間でも大センセーションを巻き起こし、コレクターの中にはポスター張りの作業員に金を払ってポスターを譲り受けたり、あるいは夜中に剃刀でポスターをはがしたりする者もありました。こうしたムハの有名なポスター作品は、もちろんプラハでもご覧いただけます。プラハの中心部、パンスカー通りに立つカウニツ宮殿内ムハ博物館 には、ポスターのみならず、油絵やデッサンのほか、写真やムハの個人的な持ち物なども展示されています。家族のコレクション初公開
2022年10月まで開催されている「ムハ、家族のコレクション」と題した展覧会では、アルフォンス・ムハの作品が、これまでにない斬新な方法で紹介されています。ここでは、この世界的に有名な芸術家のストーリーを、ムハの一族のコレクションから厳選された絵画、彫刻、写真、あるいはデザイン作品としての宣伝用品などが語ってくれますが、このコレクションはムハの作品収集としては世界最大にして、最も広範なものとなっています。今回はその中から200点以上の作品が展示されますが、中には今回初めて一般公開されるものもありますので、乞うご期待!
ムハの一生一代の作品、再びモラヴィアへ
スラヴの神話、歴史を題材として描かれた、壁画サイズの全20作品から成る「スラヴ叙事詩」は、2021年にプラハから再びモラフスキー・クルムロフ城に移されました。2026年まではここに留まる予定です。
旅のヒント
プラハ市観光局は「ムハ・デザインの軌跡」、「ムハのプラハ」、「チェコ・アールヌーヴォーの巨匠」、そして「アルフォンス・ムハの軌跡をたどるプラハ観光」の4つのテーマ・ツアーを企画しました。経験豊かなガイドが、例えば美しいムハのフレスコ画で飾られた市民会館や、ムハ自身がデザインしたユニークなステンドグラスを擁する聖ヴィート大聖堂をご案内します。一方モラヴィアでは、「ムハ・ルート」がミクロフ周辺、そしてムハの生地イヴァンチツェへといざなっています。