コロナ禍のクリスマス・マーケット
チェコではクリスマス・マーケットは、地域を超えて常に市民が最も楽しみにしているイベントの一つに数えられています。その大半がアドベント(降臨節)の最初の日曜日に始まり、クリスマス前、あるいは元旦後に終了します。ここではチェコ人はもちろん、外国人観光客も
数週間に渡ってクリスマスの雰囲気を満喫することができるのです。但し今年は事情が異なります。コロナ感染拡大防止対策により中止となったものもあれば、規模などの制限が決定されたもの、あるいは今のところ通常開催が予定されているところもあります。
プラハのヴァーツラフ広場、および
旧市街広場の
クリスマス市は中止が決まっています。そのためプラハに来られる方は、この時期観光客で満ちているはずの
プラハに思いをはせながら、単独の屋外屋台あるいはレストラン、カフェのテークアウト用窓口で
ホット・ワインやパンチ、グロッグ、あるいはホット・ジュースなどを注文してお楽しみいただくことになります。一方入国制限のためプラハに来られる観光客の数がごく限られているため、夕方、クリスマスのイルミネーションで輝く町の中心部を、他の観光客に邪魔されることなく思う存分散策することが可能となります。どうぞこのまたとない機会を最大限にご利用ください。ロマンチックな
マラーストラナの小道や
ペトシーン公園を散策したり、あるいはほとんどひとけのない
カレル橋で写真を撮ったりと楽しみ方は色々です。一方
ブルノや
オストラヴァでもクリスマス・マーケットは中止が決まっています。この他
オロモウツ(11月30日~12月24日)、
チェスキー・クルムロフ(11月27日~1月6日)のクリスマス・マーケットも国内外で定評がありますが、両方とも現在のところ中止決定はなされておらず、例年より訪問客数を減らすべく、屋台の数を制限することのみ発表されています。但し
最終的には直近の感染状況、および政府や関連機関の制限措置により実施可否が決定されることになります。結局一番大事なのは人の健康と命なのですから…。
屋外でスポーツを
都市部のクリスマスには、
屋外スポーツ仮設場が付き物。中でもスケートリンクは大人にも子供にも大人気です。スケートはスポーツとして楽しめますし、また町中で冬の雰囲気をエンジョイする最適の方法でもあります。例えばプラハでは毎年、
エステート劇場の裏手、
オヴォツニー・トゥルフ通り、あるいは
ジシュコフ区のテレビ塔下、
アネシュカ修道院近くの
ナ・フランチシュク通り、または
レトナーや各地の
ショッピング・センターなどにスケートリンクが設置されます。でも果たして今年も設置されるでしょうか。その可能性はあります。現在の感染状況からは大丈夫のように思われますが、最終的な決定は直近の状況次第でなされることになります。町中、あるいは公園でのナイト・スケーティングをこの冬も楽しみたいという方は、リンク設置状況を、お近くのツーリスト・インフォメーションセンターにてご確認ください。係員が懇切丁寧に対応してくれることでしょう。
バーチャル・ツアー
チェコの観光スポットは、現在完全にクローズしているか、あるいは入場が制限されていますが、そんな状況下でも、チェコ国内の博物館、美術館を見学する方法があることを貴方はご存知ですか? その方法とは、他でもないバーチャル・ツアーです。バーチャル見学をオファーしている施設は数多くありますが、例えば
プラハ市立博物館(
http://en.muzeumprahy.cz/virtual-tours/)もその一つです。またカレル橋の一部を成している
旧市街側とマラーストラナ側の橋塔の内部もご覧いただけます。更に
プラハ国立美術館は、ユーチューブに解説付き見学の動画をアップしつつ、館内で見学したい美術品、焦点を自由に選べるオーソドックスなバーチャル・ツアーもオファーしています(
https://www.ngprague.cz/en/about/news/ngp-online)。もちろん芸術作品を実際に自分の目で鑑賞する体験と喜びに代えられるものではありませんが、現代テクノロジーにより、せめてこのような形で、私たちの生活の一部として文化を維持できることは、やはり評価に値するでしょう。
クリスマスの雰囲気を満喫するには…
今年は例年とは異なることがたくさんありますが、この問題にどう対峙していくか、この状況にどう順応していくかが、差し迫った課題となっています。私たちは新しい道を模索していかなければなりません。今年チェコの
クリスマスを楽しむためチェコに来られる方は、新しい楽しみ方を模索していく必要があるのです。そこで今年はクリスマスの本来の姿、本来の意義に立ち返ってみることを提案いたします。ご家族・ご親戚との
絆を改めて確認するためにじっくり時間をかけ、また空いた時間を利用して、
人のためにできることを思案してみてはいかがでしょうか。クリスマスの本来の意義はプレゼントや買い物ではなく、ともに時を過ごすことなのですから。例えばクリスマスのイルミネーションで輝く町をそぞろ歩きながら・・・