ハイキングの目的地として人気があるのは、ゼムスカー・ブラーナです。この岩だらけの地形は、神秘的な雰囲気の漂う深い谷を刻むヂヴォカー・オルリツェ川沿いに形作られたものです。それからポトシュテインとリチツェの城跡を抜きにしてこの地方について語ることはできません。ネラトフの聖母マリア被昇天教会も一見の価値があります。一般的な教会とは違って、屋根がガラス張りになっており、正面を南に向けて建てられているので、12月25日のクリスマスの正午には、陽光が教会にまっすぐ射し込むことになります。
砲撃要塞ハニチュカが地下に隠すもの
オルリツェ山地(オルリツケー・ホリ)の山中を探訪なさる際には、第二次世界大戦前のチェコスロヴァキアが国境線上に築き上げた要塞の一つ、ハニチュカまでぜひ足をのばしてください。この本来は砲撃要塞だった構築物は、現在は博物館として使われていますが、1970年代には極秘に核シェルターに改築されていました。要塞の地下20~36メートルのところに設置されたシャフトや独自の浄水場、地雷倉庫、食堂、兵営などが地下道で結ばれています。見学を終えるためには、126段もの階段を上って要塞の地上部分に戻ってこなければなりません。地下の気温は5~8℃で一定していますので、暖かい服を着て適当な靴を履いてきてください。オレシュニツェの近辺には、要塞線を構成していた軽武装の要塞を結ぶ6キロメートルほどのハイキングコースもありますので、歴史の勉強がてら散策してみるのもよいでしょう。
オポチュノ城の絵画と武器のコレクション
オポチュノ城とその周辺を構成するさまざまな史跡をめぐると、当時の生活様式、チェコ社会の思想や趣味の傾向が理解できます。オポチュノの城館でまず目を奪われるのは、アーケード型の三層ロッジア(開廊)です。歴史的なインテリアも残されていますので、絵画と武器の豊かなコレクションとあわせてご鑑賞ください。それから、城館を取り巻いている風景画のような公園を散歩することもできます。忘れ去られた伝統工芸にご興味がおありでしたら、ぜひレトフラット工芸博物館を訪ねてください。リフノフ・ナト・クニェジュノウまで足をのばせば、当地の玩具博物館で、いろいろなゲーム盤、積み木、錫の兵隊、鉄道模型などの子供の玩具をご覧になれます。
周辺の観光地
史跡めぐりに食傷気味のときは、ビーラー・ヴィェシュ(「白塔」が高くそびえるフラデツ・クラーロヴェーまで足をのばして、天文台やプラネタリウムを訪ねたり、ラベ川の上に誇らしげに立つアール・ヌーヴォー様式の傑作、水力発電所の建物フチャークを観察するのもよいでしょう。